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蓮は話し始めた。相田がR&Dに来たところから。
最初は自分に突っかかってきたこと。歓迎会でのこと。ジェイが母の墓石の前で雨に打たれながらたたずんでいたこと。
何度も相田がジェイの前に現れたこと。狙われて花と共に刺されたこと。
「たくさんのことがあったんだね、短い間なのに」
「そうだな」
「それから?」
執行猶予で保釈された相田がその日のうちに再びジェイの前に姿を現したこと。そして凶行に及んだこと。
ジェイが自分の体を掴んだ。
「この体に?」
「そうだ、お前の体に血の絵を描いた。名前も掘りたかったそうだ」
青ざめているジェイに、淡々と語った。
「まだ続けるか?」
「……続けて……」
その後、どんなにジェイが混乱したか。
本当はカルピスが嫌いだったこと。弟、諒のせいで自分のことまで穴に入れて忘れようとしたこと。
母のことを……
「お前は『母さんが憎かった』と言った。でも、その感情が全てだったとは思えない。きっとそんなものを超えるほどお母さんを愛していたんだと、俺はそう思ってる。そしてそれは事実なんだ」
これからのことも話した。裁判のこと。ジェイが何に立ち向かっていかなければならないか。ひどく辛い目に遭うだろうということ。
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