11.間違い

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   一緒に家にいよう。そう言っていたけれど、蓮はジェイを散歩に誘った。特に逆らう風でもなく、ぶらりと歩く蓮の後をついていく。  風が気持ちいい。天気がいい。もう4月も終わり、目の前にはゴールデンウィークが待っている。  外は充分ざわついているし、無理して話す必要なんか無い。これが夜なら手を繋いで歩いてもいいくらいだ。  なんとなく歩いていると知らない小道が出てきて、そこをどんどん進んでいった。 「どこに続いてるの?」 「さぁ」 「分かんなくて歩いてるの?」 「こんな道があるなんて知らなかったんだよ、こっちの住宅街にはほとんど用が無いからな」  普段忙しくしているし、散歩をするのはいつも駅の方。帰りにビデオ屋に寄ってマンションへ。だからなんとなく今日は裏手に来てみた。家と家の間にあるその道は、私道というわけでも無さそうだ。  小さな十字路があって右の方にあまり目立たない喫茶店があった。 店の前に立つと、年代物と言っていいような風情。でもきちんとした店だ。 「入ってみるか?」 「でも、蓮はコーヒー飲んじゃダメだよ」  朝もジェイのためにだけコーヒーを淹れた。まだカフェインを取る許可は出ていない。  
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