11.間違い

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  「ここに続いてたのか!」 「ぐるぐる回ったってこと?」 「そうなるな」  なんだか可笑しい。クスクスと笑うジェイを見て、散歩に引っ張り出して良かったと思う。  2人でスーパーに入って、あれでもない、これでもないと買い物をした。 「蓮! それ、多いよ!」 「俺はこれが食べたい。なんだかんだ言ってお前の我がままで最近ピーマンを食ってない」 「どうやって食べるの? 肉詰めなんかだめだよ」 「シャケにさ、たくさん野菜のっけてボイル焼きにしようかって思うんだ」 「ピーマン、要らないでしょ!」 「いや、要る。絶対に入れる」 「俺のには入れないで」 「絶対に入れる」  こうなるとただの痴話ゲンカだ。バカバカしいのは分かっているのに二人とも止まらなかった。  エレベーターの中でも揉めに揉めて玄関を開ける。閉めた途端にジェイが蓮の体を掴んだ。 『なんだ?』、その言葉は出なかった、ジェイに唇を塞がれて。縋りつくようなキスだった。まるで性的ではなくて。  蓮はそっと荷物から手を離してストンとビニール袋が落ちた。  
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