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互いに大きく喘いだまま抱き合っていた。熱が冷めないまま震えている。
「ジェイ……ジェイ、大丈夫か?」
頷くことで精いっぱいのジェイをずっと蓮は撫で続けた。収まってきた頃には眠気が襲ってきて蓮に抱きついたまま寝落ちそうだった。
「寝るな、シャワー浴びに行こう、ジェイ、ほら」
久しぶりにセックスに溺れた。蓮に現実に引き戻され、やっと起き上がった。まだ残っている陶酔感に、体がふわふわしている。
促されてシャワーを浴び始め、我に返った。
「ごめん! じっとしてて、俺が洗うから。無理しちゃいけないのに」
「平気だよ、心配するな」
「だめだよ」
「それより壁に手をつけ。コンドームもつけずに悪かった。けどお前が色っぽく誘うから」
「ち、ちがう、誘ったんじゃない!」
「誘ってたよ、抱いてくれって。思わず飛びついた」
赤くなって抗議するジェイに笑って、壁に向かせる。
「足、広げて」
途端に蓮の放ったものがつーっと糸を垂れた。これはいつまでたっても慣れそうにない。
「蓮……ありがとう」
「ん? なにが?」
「本当はこんなこと……まだ早いのに俺のために」
「おい、俺は飢えてたんだぞ。知ってるだろ?」
「でもずっと自制してた……なのに」
「俺はしたい時にしただけだ。欲望に忠実ってヤツ。気にするな」
「……ありがとう」
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