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「俺……半年以上みんなに心配かけて……それに気づいてなくて、忘れたりして……」
「心配するのは当然なんだよ、ジェイ。何も感じない相手を心配すると思うか? なぜ心配してくれるのか、考えたか? 誰も恩返しだとか望んじゃいない。何かと引き換えにしてお前と接しているんじゃないんだ。気づけよ、本当のことに」
黙っているだけのジェイに焦れた。
(お前に我がままだから俺は焦れるんだぞ)
そう思うことをどう伝えたらいいんだろう、楽に受け入れるんだろう……
「ああ、もう! 分かんないか? みんなお前を好きだから心配するんだよ。それだけなんだ。それ以上お前が勘繰るのはお前の勝手だ。だが勘繰られる方は傷つくよ。そういうことだ」
ジェイがパッと顔を上げた。
「俺を……みんなが好き?」
「知らなかったのか? そりゃ失礼だ。ああ、みんなお前が好きなんだ。今度は分かったか?」
「してもらってるだけだって……そう思ってた……」
「それは外れじゃない、みんな楽しんでるからな。いつもみんなが言ってるよ、可愛い末っ子だからしてやりたくなるんだって。お前のことを弟だと思ってるんだ。自分たちの弟が辛い目に遭った。一生懸命にならないわけがない」
『弟』 何度かそう言ってもらった、弟みたいに思うと。花、哲平、三途川、広岡もそうだ、尾高も。名前を上げていったらどんどん増えてくる……
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