12.ゴールデンウィーク

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   もっと聞こうとしてくる二人に花が釘を刺した。 「お前たち、連休明けに持ち越す仕事はないんだろうな。プレゼンのこと忘れてないよな」 「打ち合わせしてきます! 窓側のオープン席お借りします!」  3人が窓側に行ったのを見て花がため息ついた。 「去年の今頃って楽だったのになぁ」 「チーフじゃなかった頃ってこと?」 「自分のチーム持つなんて考えてもいなかったからな」 「でも最近は貫禄ついてきたよ」 「そうか? おい、4階」  今日はミーティングも何もない。連休の谷間も仕事はほとんど無く、社内も静かだが花はあのプロジェクトのまとめをやるつもりだ。GPSも完成し、そろそろまとめなきゃならない。ここからの仕事には、GPS開発に加えなかったジェイにも入ってもらうつもりだ。  2人でコーヒーを飲みながら、花は例の話をジェイに振った。 「課長に全部聞いたんだって?」 「え? ……事件のこと?」 「他に何があるんだよ。平気なのか? あんまり変わんないからさ、みんな気づいてないと思うけど」 「……整理ついてないんだ、俺の中で。まだつけたくないし、この休みの中でよく考えてみようと思って」 「一人なんだろ? 大丈夫か?」 「大丈夫」 「カナダじゃなけりゃなぁ、あちこち引き摺り回すんだけど……そうだ、三途さんとこに行ったら?」 「三途さん、いないのに?」 「お前、あそこ馴染んでるじゃん」   
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