12.ゴールデンウィーク

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  「え!? 遭難!?」  蓮の声にジェイが飛び上がった。 「遭難って? 三途さん!?」 「ええ。はい。……はい。で、いつ発ちますか!? ええ。……分かりました。俺も向こうで合流します!」  電話を切った蓮が青い顔で立ち尽くしている。 「蓮! 三途さんに何かあったの!?」 「三途が……遭難したそうだ、カジさんからの連絡だ。親父さんも女将さんもすぐ現地に行く。俺も行ってくる……」 「すぐ支度する!」  毎年、連休前に確認する。 『お前は山か?』 『ええ』 『気をつけろよ、無事に帰れ』 『もちろんですとも!』 (三途……)  状況が分からない、行くしかない。行かないという選択など無かった。 (そうだ、池沢には連絡しておこう)  電話はすぐに繋がった。 『どうしました? 休みなのに』 「池沢……悪い知らせだ、三途が遭難した」 『え?』 「今、親父さんと女将さんが現地に発った。俺も行く、お前には知らせておくから。まだ誰にも連絡は」 『俺も行きます!!!!』 「お前も?」 『俺の車の方がデカい、パワーもあるし。すぐそっちに行きます!』  返事も待たずに切れた。確かに池沢がいる方が心強い。ジェイはパニックを起こすかもしれない。花は……と考えてやめた。 (まだ知らせるには早い) そう思うことできっとすぐに見つかるという気がした。 (三途、お前らしくもない……)   
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