12.ゴールデンウィーク

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  「今病院です。仲間のリーダーともう一人はそこに残ってて、残りは下山してます。落ちてすぐ警察に連絡入れたんで捜索隊は集まったんですが、なにせ今日は天気が……」 「なんだと!?」  カジの怒号が響き渡った。親父っさんの静かな声が聞こえ、蓮たちはそばに行った。 「よさねぇか。この人たちはありさを助けるために集まってくださったんだ」  親父っさんはそこにいる3人の男性に頭を下げた。 「娘のことでご迷惑をおかけします。大変な中を探してくださる、それだけで充分有難い。動けないものはしょうがありません。他の方に危険を冒してくれなんぞと言える立場じゃございません。皆さんにお怪我の無いようにどうぞよろしくお願いします」  殺気立っていた空気が和らいだ。 「何も捜索をしないと言ったわけじゃないんですよ。ただ明日の天気の様子次第でやれることに限りがあるっていうことを分かっていただきたいだけです。救助隊には民間でボランティア参加の人も混じってます。その人たちに無理でも行ってくれとは言えんのです」 「承知しております。本人も半端な気持ちで登山をしちゃいません。心構えも出来ているでしょう」  親がこれだけ頭を下げている。普通なら何が何でも助けてくれと言うものを、喉元まで出かかっていても親父っさんは言わない。   
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