12.ゴールデンウィーク

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   みんなで外に出てみた。空は嘘のように青く澄んでいた。太陽をこんなに有難いと思ったことは無い。 「この空を見てるよ、きっと。ね、チーフ」 「俺もそう思う。きっと迎えを待ってる。池沢、見つかるよ」 「もちろんです、プロポーズ聞いてもらわなきゃなりませんからね」 「いつからだ? 意識したのは」 「遭難と聞いた時……前から感じるものはあったんですがそれが何か分からなかった。あの時はっきりと分かりましたよ。あいつ、いつの間にか大事なものになってました」 「そうか。お前たちならお似合いだよ。最強だ」 「ええ。最強のペアになりますよ」 「みんな逃げるね」  ジェイの言葉に池沢は笑みを浮かべた。 「今日は……見つかるよね……」 「千津子……」 「あんたの前でくらい泣かせてよ……どこで泣いたらいいの?」 「……すまん、弱音を吐くわけには行かねぇんだ、俺も崩れる」 「分かってるよ! でも……あんただって私の前でくらい正直でいてよ……」 「……ああ、見つかるさ。ありさは強い子だ。俺たちの娘だからな。あいつが未熟児で生まれたなんて誰も信じねぇだろうさ……あん時はどうなるかと思ったよなぁ」 「896グラム。まともに育つのかといつも心配だった……」  遠い日の娘の姿が昨日のことのように浮かんできた。毎日が心配の日々だった。  
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