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向こうから2人の男性が走ってきた。
「三途川さん!! 見つかりましたよ!!」
「これからヘリの隊員が降下します!」
みんなが駆け寄ってきた。口々に叫ぶ。
「無事なんですか!?」
「生きてますが……意識が無いそうです。腕と足に酷い怪我を負ってるとのことです」
「ヘリで運ぶんですか!?」
「そのまま市立の医療センターに移送します。先導しますから病院に向かってください」
「ありがとうございます!」
池沢、蓮、ジェイは部屋に置いてあった荷物を掴んで、車へと走った。親父っさんたちの車を先にして、池沢はその後をついていく。
「お前の言う通り見つかったな!」
「でも意識が無いって言ってた……」
「大丈夫だ、ジェイ。三途は大丈夫だよ。俺は心配しないからな」
固く結んだ口。池沢の目は真っ直ぐ前だけを見ていた。
(三途。もうすぐ会えるな。絶対に起きろよ、お前は俺と結婚するんだ。きっとお前を幸せにする)
今は意識が無い。それでも生きている。池沢にはそれが全てだった。
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