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「少し落ち着いたな。腹減った、何か食いに行こうか」
病院の地下に食堂があった。結構いろんなものがあったが2人はシンプルにカレーライスを注文した。
「いいんだぞ、パフェも頼んだって」
「三途さんが目を覚ましたら食べる」
「そうか」
「……蓮……ホントに良かったね……」
「そうだな……良かった」
「俺が……あいつに連れてかれた時もあんな気持ちだったの?」
蓮はジェイの顔をじっと見た。その顔に現れていたものは不安とはちょっと違った。
「そうだよ。同じだった。居場所が分からない、無事かどうかも分からない……俺たちは必死だった、お前を探そうと」
「俺、すごく心配かけたんだね。今度のことで良く分かった。三途さんが見つからなかったら……そう思うとゾッとした。無事じゃなかったらって……こんな気持ちを蓮たちに抱かせていたんだね」
こうやっていろんなことを実感していくのかもしれない。聞いた話と実際に感じたことには大きな開きがある。
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