12.ゴールデンウィーク

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  「もうちょっと私がマシな時にしてください」 「お前が目を覚ますのを待っていたんだ、これ以上待ちたくない」 「イヤです」 「なんで!」 「なんでって……デートも何もしてないし……第一私の気持ちは? 何も聞かないの?」 「もう分かってるから。お前、見つかった時に俺のこと呼んだそうだ」 「私が? ……ああ……ずっとチーフの声がうるさかったから」 「うるさかった?」 「気を失うまでずっとチーフの声が……」  そこまで言って三途川の目が大きくなった。 「なんでチーフの声だったんだろう……」 「返事をしろよ、結婚するって」 「……イヤです、やっぱり。私のこと、ずっと『三途』って呼ぶんでしょ? お断りだわ」 「ありさ、俺と結婚してくれ」  親父さんが咳払いした。 「俺たちは喉が渇いたからな、何か飲んでくるよ」  呆けたように2人を見ていた全員が慌てて動き出した。これ以上いるのは野暮というものだ。 「池沢、三途はまだ疲れてる。休ませてやれよ」 「はい。無理はさせません」 「後でまた来るよ」  
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