513人が本棚に入れています
本棚に追加
/330ページ
三途を心配して、みんなを気遣い、２人が結ばれるのを見届け、大忙しだった。ソファに座ってジェイが渡してくれたビールを飲みながらテレビをぼんやり眺めているうちにうつらうつらとし始めた。ある程度時間が経って、ジェイはそっと蓮をそのまま横にした。
「お疲れさま、蓮」
薄い毛布をかけて、そのままノートを開きカレンダーを見ながら日記のように書き始める。
書くのに集中している時に、花からジェイに無事にカナダから帰ってきたと電話がかかってきた。その電話でジェイは連休中に起きたことを花に伝えた。
『三途さんが遭難って、なんで教えてくれなかったんだよ！』
「だって花さん、新婚旅行だし。それに三途さんは無事だったんだよ」
『新婚旅行って言ったって２度目なんだからさ！ 呼び戻してくれても良かったのに！』
花夫婦は、正月に新婚旅行には一応行っていた。でも、温泉に行ってスキーをしただけだったから普通の旅行みたいだと二人とも感じていた。それで改めてカナダに行ったのだ。
「それにね、誰も行かない方がいいんだ、チーフがいるから」
「え、チーフが向こうに残ってんの？」
「うん。花さん、ニュースあるんだけど聞きたい？」
聞かないと言われてもジェイは言いたくて溜らなかったから、返事を聞く前に暴露していた。
「あのね！ チーフと三途さん、結婚するんだよ！」
さすがに花も絶句した……
最初のコメントを投稿しよう！