13.準備

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   昼になって花はジェイの後ろについて行った。近くのデパートの15階まで上る。 「こんなとこ、来たこと無い。お前よく来るのか?」 「ううん、初めて」 「初めてのとこ?」 「ちょっと1人じゃ入りにくくて……」 (こいつが入りにくいって……) イヤな予感がする。  店の前に立つと3組くらい並んでいた。 「こ、ここ!?」 「うん! 下でいつも案内板見てて入りたかったんだ。やっと入れる!」 「あのさ、他に行かないか、なんでも奢るから。なんなら明日も奢るから」 「やだ! ここがいい」  並んでいるのも中の客もほとんどと言っていいほど女性。ランチメニューはオムライスセットとお子様ランチとサラダだけ。他はパフェやらケーキやらパンケーキやら飲み物。  まるで第二の『フェアリー』だが、あんな事件があってからそこはジェイの中でタブーとなってしまっている。そう思うと仕方ないのだが……… 「オムライスセットしか無いじゃん!」 「花さん、それ食べて。俺お子様ランチが食べたかったんだ!」 「マジ!?」 「一度食べたかったんだ、お子様ランチ。下に大人でもいいって書いてあったから」  そりゃ食べたいだろう、きっとお子様ランチは夢の一つだったに違いない。けれど……   
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