13.準備

11/37

513人が本棚に入れています
本棚に追加
/330ページ
  「ありがとう、花さん! これでやっと食べられる。お子様ランチとフルーツケーキにする」 (俺になに食えって言ってんだよ!)  しょうがない、サラダしか無い。ここのサラダはボリュームがありそうだ。チキンもたっぷり乗っている。 「俺はチキンサラダとコーヒーにする」 「足りる?」 「いいよ、腹減ったら何か買いに出る」 「ごめん……」  謝るジェイに、頭を掻いて花は申し訳なさそうに言った。 「どこでもって言ったのは俺だし。悪かったのも俺だし。いいよ、今日だけなら。付き合う」 「今日だけでいいよ、一回でいいんだ」  きっとそんなこと自分にしか言えない。そう思えば花の心も満たされてくる。  驚いたことにサラダは美味かった。ショーケースじゃ見えなかったが下にパスタも入っていた。 「美味い、これ!」 「ホント!? 良かったぁ!」  花がそう言うからほっとした。でも周りから見ればどうみても可愛い系の男が2人。 「食べて早く出よう。余った時間4階に行こうぜ」 「うん」  花はジェイに相談がある。   
/330ページ

最初のコメントを投稿しよう!

513人が本棚に入れています
本棚に追加