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結局あみだクジで3人ずつ日を置いて行くことにした。一番手を勝ち取りたくてあみだの行方を真剣に見守る目が花は可笑しい。
「みんな、そんなに三途さんが心配なんだね」
隣にいるジェイの言葉に花が笑う。
「なんで笑うの?」
「いや、お前らしいなって思ってさ」
「なにが?」
「いいんだよ、お前はそれで」
わけが分からないと思っている間に第一陣が決まった。発表はクジ提案者の澤田だ。
「土曜は二手に分かれて、最初が中山チーフ、広岡さん、入江」
完ちゃんは大喜びだ、日ごろ三途に可愛がられている。もちろん三途曰く『使いやすいから』。
「二番目は井上さん、柏木さん、石尾」
ジェイは驚いて石尾を見た。
「この前、三途川チーフにはお世話になりましたから」
「へぇ! いい心掛けじゃん!」
花の言葉にそっぽを向いた石尾の顔が心なしか照れている。
「素直になれよ、石尾。今度飲みに行こうな、チームで」
「ホントですか!?」
翔が食いつく。
「お前も七生も頑張ってるからな。飲み代、俺が半分持つ。残りを割り勘にしろ」
花は入社した頃、全部先輩や上司が払うのに抵抗を感じる方だった。だからみんなにも一応負担をさせるつもりだ。
来週の金曜に飲みに行こう、そう話が決まる。
(こうやって本物のチームになっていくんだね)
仕事ばかりじゃなくたまのプライベートの付き合いもチームを盛り上げていく。ジェイは育ててくれたみんなに感謝していた。
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