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『先に帰ってて。花さんと千枝さんと一緒に食べて帰るから』
『分かった。気をつけてな』
サプライズの話をするためだ。定時ピッタリにオフィスを出た。道路は帰宅者で混んでいる。近くに食べに行くから車は会社に置いたまま。ジェイは電車で帰るつもりだ。
どこに入ろうか そんなことを喋りながら歩いていた。すれ違いざま、ドン! と肩と肩がぶつかり、思わずジェイが「すみません!」と声をあげた。相手は振り返りもせずに雑踏に消えていく。
立ち止まってしまったジェイに花が気づいた。
「どうした?」
「今の……人……」
「今の? ぶつかったヤツか?」
「あの人、『あいだ』そう呟いた……」
慌てて花が見回したけれどもう見つけるなんて出来ない。
「会社に戻ろう!」
腕を取られジェイは混乱する頭で会社に連れて行かれた。
(あいだ……?)
オフィスに慌ただしく戻って来た3人にみんなが何事かと顔を向けた。
「ジェイにぶつかってきたヤツがいて、そいつが相田って言ったそうだ!」
「え!?」
みんな仕事を放り出してそばに来た。蓮がそれをかき分けてそばに寄る。
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