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「西崎さんから、どんな小さな傷でも診断書を取るようにと言われた」
「あ、俺知ってます。前ちょっとしたケガをした時にすぐ近くの病院で手当てしてもらいました。まだ開いてるから連れて行きますよ」
「頼む、尾高。周りに気をつけてやってくれ。また何か……」
「OK。変なのに接触しないように気をつけておきます」
呆然とした様子のジェイが心配で肩を掴んだ。また前のように戻るのかと。
「ジェイ、尾高がついててくれる」
ジェイの目がしっかりと回りに焦点を合わせた。蓮に、花に、みんなに。
「俺、負けないから」
その目には怒りが湧いていた。
「もうたくさんだ、振り回されたくない!」
明らかに今までのジェイとは違う。みんなにはジェイが一回り大きくなったように見えた。
病院から戻るとまだほとんどが残っていた。
「これ、診断書です。変なヤツには会いませんでしたよ」
「これからどうすればいいんだ?」
途方に暮れたような野瀬の声。
「いいよ、俺、ジェイから離れないから」
「花さん、俺頑張るから。合気道でもいろいろ教えてもらってる。さっきはダメだったけど今度はちゃんと動くよ」
「でも危険は冒せない!」
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