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行ってみると11時までモーニングをやっていた。
「ギリギリだったね!」
「そうだな。ちょっと楽しみだ、どんなモーニングか」
モーニングは店によって中身が違う。たいてい似たり寄ったり。だから待ち遠しい、テーブルに並ぶのが。
ジェイに昨日のことを聞いてみようか……そう思いもしたが、今はやめたい。せっかくの笑顔だ。
「すごい!」
出てきたのは、カリッと焼いたトースト、ゆで卵のついたサラダ。ブルーベリージャムの乗ったヨーグルト。3分の1にカットされたバナナ。そして風味豊かなコーヒー。
かなりの量を楽しんで、そこに来たのは濃厚なバニラアイスだった。
「これ、650円だったよね?」
「驚いたな!」
マスターに「ご馳走さまでした!」と叫んだジェイはあの蕎麦屋でのジェイに近い。
(こんな風に分析してるんじゃ、まるで社員を見ているみたいだ)
どうしても恋人を見ている気になれない。精神状態が安定しているのか、不安定なのか。それさえ掴めなかった。
帰ってカリントウを齧りながらビデオを見て、そしてふと見ると冷たい目を浮かべている……
確かにジェイが変わった。だが、それはジェイの望んでいた変わり方なのだろうか……
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