13.準備

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   行ってみると11時までモーニングをやっていた。 「ギリギリだったね!」 「そうだな。ちょっと楽しみだ、どんなモーニングか」  モーニングは店によって中身が違う。たいてい似たり寄ったり。だから待ち遠しい、テーブルに並ぶのが。  ジェイに昨日のことを聞いてみようか……そう思いもしたが、今はやめたい。せっかくの笑顔だ。 「すごい!」  出てきたのは、カリッと焼いたトースト、ゆで卵のついたサラダ。ブルーベリージャムの乗ったヨーグルト。3分の1にカットされたバナナ。そして風味豊かなコーヒー。  かなりの量を楽しんで、そこに来たのは濃厚なバニラアイスだった。 「これ、650円だったよね?」 「驚いたな!」  マスターに「ご馳走さまでした!」と叫んだジェイはあの蕎麦屋でのジェイに近い。 (こんな風に分析してるんじゃ、まるで社員を見ているみたいだ)  どうしても恋人を見ている気になれない。精神状態が安定しているのか、不安定なのか。それさえ掴めなかった。  帰ってカリントウを齧りながらビデオを見て、そしてふと見ると冷たい目を浮かべている……  確かにジェイが変わった。だが、それはジェイの望んでいた変わり方なのだろうか……    
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