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戻るとジェイがただ立っていた。
「大丈夫か?」
すごい勢いで蹴られたのを見ている。
「ごめんね、俺追いかけられなくて……」
「それはいいんだ。それより歩けるか?」
「うん、大丈夫」
それでも足を引きずりながらオフィスに戻った。
まだ休憩時間は終わっていない。蓮はコンビニのおにぎりを頬張りながら報告書を読んでいたが、柏木に支えられるように入ってきたジェイを見てすぐに立ち上がった。
「どうした!」
「またです。ぶつかってきたヤツがいて」
「それで!?」
外に食べに行かなかった井上と橋田がすぐに寄って来た。二人で弁当を食べていたのだ。さすがに石尾も立ってきた。どう見てもジェイはまともに歩けていない。
「とにかく座れ、足を見せてみろ」
足首に近いからズボンを捲るとすぐに分かった。結構腫れている。橋田がすぐにオフィスに常備している保冷剤を取りに行った。
「で? そいつはどうしたんだ?」
「ジェイがぶつかった途端に捕まえたんですよ。言い合いになって向こうは放せの一点張りで。ジェイが『いつもぶつかってきたのはお前か?』って聞いたら『俺じゃない』って……」
「それ、自白と同じじゃないですか」
聞いていた石尾も大変なことが起きているのを感じていた。
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