13.準備

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  「ガキっぽくなんかないよ。去年の今頃、俺はもっとガキっぽかったよ」 「でもすごく仕事出来たって」 「それだけだ。俺は何も知らなかった、石尾くんよりもずっと。みんなが助けてくれて育ててくれた。もし俺が本当に先輩っぽく見えるとしたら、そのお蔭なんだ」 「先輩は……立派だと思います。俺なら同じ目に遭ってまともに仕事なんか出来ない」 「それしかないからね。仕事してるとホッとするんだ」 (今度こそ、違う目でこの人を見ることが出来るかもしれない)   石尾はそう思った。比べるということでしか価値判断をして来なかったけれど、この会社に入って自分が変わって行くのを感じる。 「このバカ!!」  礼二は高也に引っ叩かれていた。 「捕まってんじゃねぇよ! もうお前はぶつかんのは無しだ。今度接触すんのは芳樹、お前がやれ。こいつを捕まえたことで調子に乗ってるかもしれない。ちょっとビビらせてやれ」 「OK。けど少し間を空けようよ」 「その方がいい。どうせヒマだから他のことも考えようぜ。相田のヤツからガッポリせしめたいからな。礼二、お前も何かしないと相田に口利いてやらねぇぞ」 「分かったよ……」  1人になろうと考えているジェイ。その心を砕くために悪だくみをする3人。  ジェイが裁判に出る日は確実に近づいている。   
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