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さほど間をおかず、尾高が出た。
『どうした? 石尾』
「今、KSビルのそばを歩いてます」
『KSビル?』
「ええ。ジェイ先輩が1人で外に出たのを追っかけたんですけど、変なヤツがその後ろをぴったりくっついていて。なんか……ジェイ先輩、そいつを自分に引きつけてるみたいで……」
『なんだって!? 分かった、そっちに誰か向かわせる。何かあればまた電話くれ。翔に言っておく』
「はい」
これでひとまず安心だ。
「どうした? 血相変えて」
「池沢さん! 課長に伝えてください、今ジェイがKSビルのそばで後をつけられてるって。石尾が電話してきたんです。翔! もし石尾から電話が入ったら課長補佐に回せ!」
「は、はい」
尾高が飛び出していく後から広岡も走った。ジェイが何をしようとしているのか。
(無茶をするな、ジェイ!)
尾高も広岡も同じ気持ちだった。
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