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やっと土曜日になった。この休日は有難い。朝食も済んでやっと落ち着いた。
起きたのは10時近かった。それほど夜は激しかった。腰の重そうなジェイをソファに横にさせて家事は蓮が引き受けた。
「どうしてだろう……」
「何が?」
「セックスして、どうして俺だけがこんなに次の日まで辛いの?」
「それは……」
確かに夕べは激しすぎたかもしれない。
「お前が煽るから」
「え、俺のせいなの?」
「あんまり『もっと』って言うなよ」
「そんなに言ってない!」
「言ったよ、『もっと、やめちゃやだ、もっと奥に』って」
「ばか! そんなこと言わない!!」
蓮の生々しい言葉にジェイが真っ赤になった。
「じゃ、今度録音してやるからな。俺は途中でやめようとしたんだ。けどお前、俺の体に乗ってくるから」
「俺、乗ってない!」
「乗って来ただろ! あんなに腰を動かすから痛くなるんだよ!」
言いながらあの情景を頭に浮かべてしまった。ジェイに遅れて顔が赤くなっていく。
「ごめん、言い過ぎた」
「……酷いよ……そんなに言わなくったって……」
「でもホントのことだぞ。お前、最近激しくなってきたよな。まるで足りないみたいに俺を欲しがる」
「やめて、聞きたくないよ!」
「夢中になってるお前を見てると……俺も止まれなくなるんだ」
結局、怒鳴り合いは終わり声は穏やかになったけど、中身はたいして変わらない。バカバカしいほど愚痴を零すような痴話ゲンかはそれからしばらく続いた。
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