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ジェイの目が輝いた。
「何、借りたの!?」
「お笑いとアニメだよ。好きだろ?」
「好き、見たい……蓮、後ろに今隠したの、なに?」
「え? なんのことだ?」
「両手前に出して」
蓮は素直に両手を出した。
「ほら、何も無いだろ?」
「じゃ、立ってよ! なんか隠したよ、後ろに」
とうとう蓮は観念してDVDを出した。
「なんで隠したの?」
「いや、きっとお前はこれを喜ばないと思って……」
「何を一人で見ようと思ったの?」
「一人でって……」
蓮の手から取り上げたDVDを眺めた。『夜の住人』。
「これ、サスペンス?」
「……」
「だから俺が寝てから見ようと思った?」
ジェイの追及が容赦ない。
「これ、見たい」
「……分かった。いいよ、一緒に見る」
諦めたような蓮の声にジェイが笑った。
「蓮がいけないんだからね。俺に隠し事なんかするから」
始まった映画に、だんだんジェイの顔が引きつり始めた。
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