15.いよいよ

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  「蓮」 「……なんだ」 「ノート。見てほしい、一緒に」  いつ言うだろうと思っていた。避けるわけにはいかないのに自分の方が逃げようとしている…… 「どこにある? バッグの中か?」 「うん」 「……よし。やろう!」  やっと踏ん切りをつけた。ノートを取って来てジェイに渡す。 「最初から見て行こうか」 「そうしたい。やっぱり曖昧だから。覚えるんじゃなくて思い出したいから」 「そうだな。裁判で困らないようにしよう。お前が勝てるように」  その夜は遅くまでノートを見ながら話し合った。ジェイが時々シャーペンを走らせる。蓮が日付と書いてあるものの違いを教えていく。  日曜もそれで一日を過ごした。ジェイの用意が徐々に出来上がっていく。 思い出したかったけど、思い出せば苦しいこと。その狭間で胸が締め付けられる。 「俺、裁判に勝つからね。あの人に負けない。俺は襲われたんだ、俺には悪いところなんか無いんだ」  18日は目の前。そしてその次はジェイが出廷することになるだろう。 相田とジェイの一騎打ちだ。  いよいよレイプについての糾弾が始まる。 ――第六部 完――   
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