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もう一度聞きたくなる。
「もう一回……言って」
「ん?」
「さっきの……」
蓮が考えている。
(何を言ってくれるだろう?)
ちょっとドキドキする。自分の欲しい言葉を言ってくれるだろうか。
蓮がジェイに向き合った。
「お前が可愛い。俺の宝物だからな、ずっと俺のものだ」
包まれた。背の高い蓮がぎゅっと抱きしめてくれた。
「俺……幸せだよ、蓮。だから強くなるんだ、今度こそ」
「信じてるよ。お前だけを心から愛してるから」
(キスしたい……したいよ、蓮)
けれどそれはダメだ。ちゃんと元通り蓮が元気になったら。
(そしたらたくさん抱いてもらう……平日でもなんでも)
「座って。ごめんね、立ちっぱなしさせて。ちょっとでいいから何か食べない? そしたら薬飲めるし」
「うーん。腹減ってないんだけどな」
「スムージー作るよ! それならどう?」
「それなら入りそうだ」
バナナとニンジンと。氷は少し。スムージーにはもっと種類があるけれど蓮はこれが気に入っていた。優しい味だからあまり刺激にならないと。
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