512人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ん、れん、れん……」
「……なくな、おれはここにいる…」
そう言って目を開けるとベッドの上だった。
「どうしたんだ、俺」
「倒れたんだよ……いやだ、病院に行こうよ、お願い、病院に……」
「ただの貧血だよ。そんなに心配要らないんだ。ちょっとクラっとしただけだよ」
ジェイの頭を撫でながら囁くように言った。
「ちょっとだけ寝る。起きたら食事するから」
それきり声が途絶えたから息をしていることを確認して三途川に電話した。
怖くて怖くて……青白くて細い蓮が怖かった。
「倒れた!?」
「ただの貧血だからって病院に行こうとしないんだ」
「今どうしてるの?」
「眠ってる」
「ジェイ、迎えに行くから課長の持ち物、最低限でいいから用意して。病院に電話してから迎えに行くから。それまで起こさないで」
「ありがとう! 俺……」
「強くなるんでしょ? あんたが頑張んなかったら誰が課長の面倒見るの?」
「……うん、強くなる」
「じゃ、落ち着いて用意して。もし起きても何も飲ませないで」
最初のコメントを投稿しよう!