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(大方のプレイヤーの予想通りなら、こっちの陣営に振り分けられてる時点で他人のこと狂ってるなんて言えた義理ないけどね)
思わず自嘲気味の笑みが漏れる。
そもそもMMOーRPGはプレイヤー同士が完全に二極化して戦争まがいのことを繰り広げるゲームでは決してない。数あるコンテンツの中にプレイヤー同士が、プレイヤー同士の集まりであるチームーーギルドが直接腕を競い合うものはあっても、その本質は多くのプレイヤーと出会い、協力し、広大な世界を旅しながら、各々の目標を定め自由に楽しむRPGなのだ。
もちろん〈リライフテイル・ダイブオン〉もそんなMMOーRPGの一つであり、その中でも新世代VRーMMOとカテゴライズされるゲームの一つだった。
八十年前に終戦した第三次世界大戦中、戦場で一兵士単位での連携、既存の電子機器や発展した無人兵器への感覚的アクセスと操作を可能にし、某国を二度目の勝利に導いたIMLD--インプラントマルチリンクデバイス。
それは戦後になり、多くの先進国で生活水準の向上、個人認識及び犯罪抑止という名目のもと出生時インプラントが推奨されはじめると、爆発的に研究開発が進んだ。
そして、その副産物の一つとしてVR上のアバターとの感覚共有技術ーーV R L Sをも飛躍的に発展させたのだ。
結果、三次大戦以前はおろか、平成と呼ばれていた大昔からグラフィックの向上、VR技術の改良以外ではほぼ停滞していたゲームの在り方を一変させた。電子的で機械的なゲームの数々が決して超えることが出来なかった最後の壁ーーモニターの壁を破ったのだ。
限りなく現実に近い擬似現実を体現した夢のMMO。第二の人生すら超越した生まれ変わる物語。それが〈リライフテイル・ダイブオン〉と言うゲームだった。
そう、ゲームだった。どれだけ現実に近くとも、どれほどの時間や労力を費やそうとも、報われず叶わない。泡沫の夢のような非現実でしかなかったのだ。
リノの体感時間では既に半年前ーー〈リライフテイル・ダイブオン〉サービス開始十五周年のあの日。最新拡張データ「最果ての地に眠りし剣」が解禁されたあの日まではーー
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