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とある美容学校の放課後。
うち 鎮西寿々歌( すずか )は居残りで検定に向けての練習をしていた。
ガチャッ・・・・・・。
「 おう!まだいたんだ! 」
「 うん。 今日教わったとこ 何度もやらないと」
「 真面目やなぁ 」
入ってきたのは長江崚行( りょうき )
うちの好きな人。
「 うん・・・・。 うち みんなより不器用なの分かってるから 練習しないと・・・・。 」
「 そーやって自分で不器用だって言い切れるとこ、俺好きやわ。」
「・・・・・バカにしてる? 」
「 いや いい意味だから ホンマに 」
「 あのさぁ・・・・褒められると なんだか辛いよ・・・。 」
「 なんで?? 」
「 ごめん・・・・忘れてほしいんだ! 」
「 ・・・・気持ち 伝えてくれたこと?」
「 うん 忘れて」
「 そう簡単に削除とかできねぇだろ 」
「 やって 答えくれなかったやん
っていうか 答えくれへんことが 答えなんやなぁって・・・・。 だから「 俺さ」
「 お前が思うほど 器用な人間じゃねんだよ。 」
「 ・・・・嘘や 崚行はなんでもできるやん!
あの日のボウリングも凄かったし! 」
「 あぁー あの日の寿々歌のボウリング
凄かったよな。 何回投げてもガーターばっかり(笑)」
「 ちょっと・・・・笑わないでよ・・・・
うち苦手なんやから」
「 いや センスはあると思うで? 」
「 嘘やろ・・・・」
「 嘘じゃねーし 」
沈黙が流れる。
すると
「 なぁ!」
そう言って崚行はキャストアイスを転がしてくる。
ガラガラ
「 このキャストアイスに乗ってさ 俺んとこに転がってこいよ。 自分がボウリングの玉になったと思ってさ 」
「 なんでよ??」
「 お前にボウリングのセンスがあるってことを 証明してやるよ。 」
「 なんでこれで証明できるん? 」
「 できるんやって!ほら!はやく!」
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