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第一章
僕が大人になった時・・・。
僕はママに対してどんな答えを出すと思う?
精子と卵子の神秘的な出会いにより奇跡に等しく、誕生する生命。しかしそれは選択肢を持ち備えていない、すなわちどのような親が迎えるのかは天地である。どなたが形創したであろうこの残酷なあまりにも残酷な親子合わせを。
愛される者、そうでない者。
屈託なく笑う者、そうでない者。
大切に育てられる者。
虐待され、育児放棄される者。
生かされる者・・・。
殺される者・・・。
?
僕はトルカ、藤井トルカ(ふじい とるか)。
ほら見てごらん、僕のみすぼらしく悪臭を放つ姿を。僕を言葉で表現するなら可哀相な男の子だけでは足りない。僕の姿を見る者の心には僕を見たことによって、千本の先端の尖った針が胸を刺し、そしてこう言うだろう「不憫な子だ」と。
何故、僕を産んだの?
産んでしまっても、要らなかったのなら捨ててほしかった。
いつから始まったっけ?ママの虐待は・・・。
殴る蹴るの暴力。言葉の暴力。
痛苦と恐怖の虐待に僕は夢の世界に現実逃避するしかなく、身体の痛みに耐えるしかなかった。
ガムテープの音。嫌だ!今から始まるママの暴力、さぁ早く夢の世界に・・・。(今日はどこに行こう、そうだ遊園地にしよう)。
「トルカこっちこい殺してやるからさっさとこいっ」ママの悪魔の声に僕は従う。まず口にガムテープ。ママは躊躇なく髪の毛を掴み上げ奇声を上げながら右に左に振り回す。脳ミソがグラグラして吐きそうになる。(わぁ空飛ぶ飛行機だ一番はあれだな。おぉ凄く高くて気持ちいい楽しいなぁ)。それから薙ぎ倒され僕の上にママが馬乗りになり、顔面の平手打ちが始まった。ほっぺたの痛みは頭にジンジン激震が走る、そして凄い力なので口の中も切れて血の味がする。(さぁ次は何に乗ろうかなぁ、あっその前にソフトクリームを食べよう。うん、美味しい甘さが口に広がる)。平手打ちに飽きるとママは僕をうつ伏せにして「このやろぉ死ね。汚らしい醜いガキがぁ」と連呼しながらお尻をドスドスと蹴りだす。(よーし、次はメリーゴーランドだ!大きな馬を選び乗った。あはは、僕は王子様だ、王子様なんだ)。
ママは悪魔のような必死の形相で僕を襲う。
ママ僕を叩いて蹴ってそんなことしてどう楽しいの?
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