私の催眠術師君

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「じゃあまず、簡単なやつから始めますね。その時に先輩に触ったりしたりしますけど、ヤらしい意味はないですよ。」 俺は本に書いてあった、被験性チェックを始める。 「へぇ~、なかなか本格的だねw」 茶化してくる先輩 でも俺が言うように手を組んで指がくっついていく、と言うとことのほか反応した。 「え~っ!すご~い!なんで~?!」 嬉しそうに驚く先輩の反応になんか嬉しくなってくる。 「じゃあ次は腕が鉄の棒みたいにかた~くなって、曲げられなくなりますよ」 先輩の腕を伸ばして想像上の棒を入れてくように、ちょっと大げさに演技する 「ほら、ぐ~っと入っていくと肘がかた~くなって曲げられないよ。ほら、入った!」 という掛け声と一緒に少しだけ肘が逆方向になるように軽く押すと、より曲げにくくなって効果が上がるんだよね… 「ホントだ!なんで!?曲がんないんだけど!?」 「ほら、かた~くなったでしょ?俺が触ると元に戻りますよ…はい、戻った」 先輩の腕から力が抜ける。 先輩は何回も曲げたり伸ばしたりして、すごい不思議がってる。 先輩はすごく催眠にかかりやすくて、この後にかけた味が変わる催眠(ペットボトルの水がミルクティーになるとか)、名前が言えなくなる催眠、俺が持ってるペンが凄く欲しくなる催眠、猫になってしまう催眠なんかもちゃんとかかった。 楽しそうな先輩がもっと楽しくなる催眠はないか、色々考えながら催眠で遊んでいるこの時間がずっと続いたらいいのにな、ってぼんやり思ってた。
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