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結局、2時間くらい催眠で遊んだけど、先輩に俺を好きにさせる催眠をかけることは出来なかった。
そんな催眠かけてなんか関係がおかしくなるよりも、この時間を大切にしたかった。
さて、そろそろ先輩の催眠を覚まさないと…明日もテストだしね。
「…スッキリ催眠から覚めて、今まで俺が話した暗示は頭の中からも身体の中からもきれいになくなって、元通りのあなたになりますよ。ハイッ!」
先輩との催眠の時間もこれでおしまい。
またチャンスがあっても、多分好きにさせるとかはかけられないんだろうな…
自分でもヘタレっぷりがいやになる…
「…やっぱり出来なかったんだね…」
先輩が何かを呟いたように聞こえたので、振り返った瞬間、先輩がぱんっ!と目の前で手を叩いた。
「はい、力が抜ける!意識が溶ける!何もかも分からなくなってすとーんと落ちてくよ!
3、2、1、はいっ!」
何か言われた気がした。言葉が塊のように頭に流れこんできて、意識を押し流していく。
先輩に身体を支えられながら身体中の力が抜けて、その場に崩れていく。
あ、また落ちていくんだ…
と思い出した時にはもう真っ暗な中に心地よく沈んでいった…
「良いとこまで行ったのに相変わらずヘタレだねw まあ君のそんなとこが好きなんだけどね」
遠くで先輩が何か言っている気がする…
身体が優しく揺さぶられてとっても心地良い…
「まあ、私も自分から言わないで君に言わせようとしているあたり、なかなかのヘタレなんだけどさw」
先輩の声らしい音が頭の中に響いていくだけで、物凄い安心感と安らぎとが相まったものに包み込まれていく。
「さて、また君に勇気とミッションを与えるよ。早く私を君の虜にしてよね、私だけの術師さん♪」
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