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ため息ついたボティスが 「ルシファー、気を引きたかっただけだ」と 言い訳に向かう。 「俺は人間になった。地界には入れん。 もう蛇の姿にもなれんのだ。 妬かせて気を引こうと、ミカエルを利用した」 「そう。僕も似た理由だ。 他の祓魔とは違う、もっと認めさせようと... 」 なんだよ その安い駆け引き的なやつ。暗ぇし。 そもそも、おまえらキャラ違うじゃん。 「無理ねぇか?」って小声で言う泰河に 「けど 考えようによっては、ボティスとジェイドが そういう手段に出ちまった、っていうのが 追い詰められた感あるんじゃないのか?」って ムリに深読みしてみる 朋樹が言う。 「... 可愛い奴等め」 えっ?! 皇帝は “困ったな” って顔してやがる! けどゴキゲンだ。照れてすらいるっぽい。 マジで効いたのかよ... 「深読み?」って聞く泰河に 「いや違う。ただ “ミカエルに加護もらった” ってより、その方が嬉しいからだろ」って 朋樹が小声で返した。 騙されといたのかぁ。意外と大人じゃね? もう加護は付いちまってるし、仕方ねーもんな。 「だが、ひとつハッキリさせておく。 お前達が 愛しているのは、ミカエルではなく... 」 「お前だ、ルシファー」 「もちろん。僕はファウストだ、メフィスト」 ジェイドは 方針を変えたらしい。 「... もうさ、大変だよな」って ぼやく泰河に頷く。 「べリアルとは また違うけどー」 「そうだな。べリアルは “魅力的だ” で 皇帝は “愛している” だな。 けど やっとかねぇと、ヘソ曲げそうだからな。 アバドンじゃなくても 地上が危機に陥るぜ」 うん、めんどくさいけど ボティスがやってるくらいだもんなー。 離れた場所にいる榊の方見てみたら 狐姿になって、アコにおんぶされて 背中に隠れてた。皇帝を警戒してるっぽい。
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