クリスマス・キス

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 ちょっと冷めてきた缶紅茶とチーズケーキ、そして、お菓子がなくなろうという頃。  更なるサプライズがあった。 「俺さ、実はお前にプレゼントがあるんだよ~」  彼は、にこにこと嬉しそうに小さな小箱をテーブルの上に置く。 「ええ!?」  何だろう? この大きさから……アクセサリーかな?  ビックリと同時に、あたしはさっき生まれた後悔が育って行くのを感じた。 「開けてみな♪」  彼はあたしの気持ちなんて気にせずにウキウキした表情で言う。  寒さと後悔で、ちょっぴり震える手で箱の包みをはがしてみると……。  それは可愛い指輪だった。  あたしの好きなエメラルド色の石が光っている。  一介の高校生だもの、本物のエメラルドなんて買えない。  それでも、こんな箱に入ってるんだもん。結構頑張ったに違いない。  だからさっき、『金欠病』って言ってたのか……。
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