クリスマス・キス

7/7
前へ
/7ページ
次へ
「……なんだ、そんなことか~」  いつもの陽気で呑気な彼の声が聞こえた。 「何を気にしてるんだか~。  俺へのプレゼントは、コレでいいよ」  そう言って、彼はあたしのあごをくいっと押し上げると、あたしの視界を遮った。  そして、そっとあたしの唇に彼の唇が触れる――。 「にへへ~♪」  彼は満足気に顔をほころばせる。  あたしの涙は止まっていたけど、まだグシャグシャの泣き顔だ。 「はじめてのキスって、レモンだのモモだのって噂されてたけどさ。  俺達のは涙の味だったな!」  そう言ってニッコリ笑顔。  その彼の笑顔に吸い込まれて、あたしも思わずにっこり微笑んじゃったんだ。 「メリークリスマス♪」 【終】
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加