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「……なんだ、そんなことか~」
いつもの陽気で呑気な彼の声が聞こえた。
「何を気にしてるんだか~。
俺へのプレゼントは、コレでいいよ」
そう言って、彼はあたしのあごをくいっと押し上げると、あたしの視界を遮った。
そして、そっとあたしの唇に彼の唇が触れる――。
「にへへ~♪」
彼は満足気に顔をほころばせる。
あたしの涙は止まっていたけど、まだグシャグシャの泣き顔だ。
「はじめてのキスって、レモンだのモモだのって噂されてたけどさ。
俺達のは涙の味だったな!」
そう言ってニッコリ笑顔。
その彼の笑顔に吸い込まれて、あたしも思わずにっこり微笑んじゃったんだ。
「メリークリスマス♪」
【終】
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