第1章 鏡の中の世界

5/9
前へ
/37ページ
次へ
何故か僕は幼い頃から、マネキンに感情があると思っていた。それをお母さんに話すと「駄目よ。変な子と思われるから誰にも言っちゃ駄目」と注意されたものだ。 「さあ、おいでよ。ここを案内してあげる。実は僕のおじいちゃんが君を呼んだんだよ」 「え?おじいさんが?」 彼は手を差し伸べて「僕の名前はルクア、君は?」と、まだ座り込んでる僕を起こしてくれた。 「僕は都築」 「ツズキか。いい名前だね」 そしてルクアと僕は、今いる洞窟の様な通路を歩いて進んだ。 すると目の前に、ぽっかり空いた出口が見える。そこには外からの陽射しが差し込んでいた。 「わあっ凄い!」 ここは山なのか、丘なのか? 一歩出て見下ろした先は、壮大な街並みが一面に広がっていた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加