第1章 鏡の中の世界

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「マネキン?あっあの人もマネキンだ」僕はきょろきょろと周りを見回した。 誰もが人間と変わらない風貌だ。しかし、やはりみんな顔や身体は、プラスチックで出来ていた。 「やっぱり気になるかい?」とルクアが僕を見た。 「う、うん。やっぱりね…変な感じ」 「そう言うツズキも周りから見れば、気にされてると思うよ」 確かにみんな、僕をじろじろ見ている。 黒目はあれど瞬きしないので、なんだかおかしな感じだ。 「しかしここって、外国みたいな街だね」 前に映画で観た様な、屋根がとんがった家が多い。 確かイタリア…ローマ…ハリーポッターかな? 「ここはね、鏡から覗いた世界を模写してるんだ。僕らは外の世界に出れないから、鏡の中から見える世界しか知らない。まあ、鏡は世界中に溢れているから不自由は無いけどね」 「ふーん」 すると突然「危ないっ!」と言う声が上がった。
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