から揚げに檸檬をかけないでいただきたい

どこまで見せていいかってのも大人になると難しいもので。

「──この面子で飲んでる時が一番楽しーやー」

　と、私はおかわりの酒を頼もうとメニューを手に取った。

ちょっと甘いのでも飲もうか。

「カシオレで」

「あ、俺も」

「僕も」

「あたしも」

　ん？

　三人はビールや焼酎が多くて、こういうカクテル系はあまり飲まない。

というかこの店では初めてな気がする。

「珍しいじゃん。どしたの？」

　そう聞くと、シヅが言った。

「似合わない？」

　そんな事はないけど、男二人はより珍しい感じ、と見やる。

「好きなもんに似合う似合わないとか、イチゴがさっき言っためんどくせぇの一部」