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「男女のカップル二組で──」
ああ、やっぱりそういうペアか、と私達は顏を見合わせる。
「私がニシキと? 冗談やめてよ」
「俺もイチゴは冗談じゃねぇ」
「わたしとミカミ? 無理無理、やだ」
「やだって、僕だってシヅは無理だなぁ」
失礼しました、と女の店員さんが、組み違いでしたか、と今度は私とミカミを手で差してきた。
だから違うっていうのに、と言おうとした時、シヅが動いた。
それは不意打ちでどうする事も出来なくて、むちゅー、とキスされた。
これには店員さんも驚いていて、もう慣れっこの私は一度、またばきを見せた。
シヅと私は、恋人同士なのだ。
そしてもう片方も、と思いきや、ミカミがしっかりとニシキの手を恋人繋ぎで繋いでいて、こういう事には照れ屋を発揮するニシキがそっぽを向いている。
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