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「何撮ってんの?」
「見たら分かるだろ?君だよ」
そう言って再び写真機の釦に指をかける。
「変なの」
四隅の枠の中。初雪の冷たさに息が白かった。無表情の彼女の顔が手元に映る。
例え撮る理由が何であれシャッターを切る。
冷たい雪が溶けてなくなるように、この時間が、この記憶が例え二人がいつか忘れても写真だけは形に残る。
無意味な写真を撮れ。
いつかそれが意味のある思い出になる日まで。
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