0人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
おいおい冗談じゃなかったわ。なにこれ。夢じゃないのは歩いている感じがしっかりしているのと空気の冷たさと排気ガスの臭いと口内炎を潰したところがジンジンしていることで十分理解できている。過去に戻ってる! なんでだ! 意味わかんないぞこんなSFみたいな事態が寝るだけで起きたって言うのかよ! 何のために? 何かあるのか? いやあるとしたら俺ではないのか。いやでもこうして俺も来れたということは何か意図があったり、したらなんだか主人公っぽいが、俺がそんな役になるわけが。
「おい、ハルアキ! 速いわアホ! 何処行くんだ!」
しまった、うららの存在忘れてた。しかも知らぬ間に歩いてたみたいでコンビニがもう何処にも見えない。
「悪い」
「なんだよハルアキ、変な顔してんぞ」
「いやなんか、どんな顔して良いかわかんなくてよ。今俺スゲーことを体験してるってのと、だけどだからって何かしたいことがあるわけじゃないしこの現象に何の意味があるんだって」
「ややこしいこと考えてんなぁ相変わらず! あはははは! 楽しめばいいじゃんかよ!」
「何をだよ」
「軽犯罪犯してみる?」
「まあ、ほんとに過去なら戻ってしまえば問題なさそうだから、有りだな」
「そういうところあるよなハルアキ。何気にあたしと同じくらいイカレてると思うわ」
「一緒にすんな。これはいつ現代に戻るとかわかんのか?」
「目が覚めれば。あたしはなんとなくわかるよ。もうそろそろ起きそうだなって」
「時間は決まってんのか?」
「まちまちだな。結局目が覚めちゃえばおしまいだから。最長は一時間くらいかな。ちゃんとは覚えてない」
やはり制御できないからこそ、何かしら成すべきことがある気がしてしまうのは、何かに憧れ過ぎているだけって気もしないでもない。
考えてもわかりそうにもない。思いついても想像でしかないし。
最初のコメントを投稿しよう!