2001

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2001

 3月1日  舞浜駅前に日本最大級のディズニーショップ「ボン・ヴォヤージュ」がオープン。  JR西日本桜島線にユニバーサルシティ駅が開業、同線に「JRゆめ咲線」の愛称が付けられる。  ウキウキするような春だ。  沙耶香は久々に夫と交わった。  白い肌が赤く染まり、玉のような汗が浮く。  沙耶香は本気の絶頂を何度も繰り返した。  クンニされアエギ声を上げた。  沙耶香の興奮は止まらなかった。  伊香保温泉に出かけそこでも交わった。  火照った体は温泉ではなく情欲のせいだった。 「アッアッアーッ」  アエギ声は旅館の廊下まで響いていた。    上田剛は凄まじい声に苦笑した。  あぁ、俺も恋人ほしいな?  卒業旅行で友達の高梨良太、星萬斎と遊びに来た。  EXCELの勉強に忙しい。  就職してからじゃ遅いんだ。  オートサムで合計、アベレージ関数で平均、マックス関数で最高点だ。 「アウッアゥッアウッ」  上田の性欲がマックス関数。  2018年にタイムスリップしている友人からメールがあった。『陸王』ってドラマが面白いそうだ。 「なぁ見に行かないか?」  萬斎が言った。 「何を?」と、良太。  良太はババ抜きしたいらしくトランプを持ってきた。ババ抜きより、アレを抜きたい。   「君には性欲ってものがないのかね?」  上田は不思議でたまらなかった。  良太がエロ本を読んでいるところを見たことがない。 「誰だってやるし?誰だって子供を生むんだ」 「教育者を目指しているだけあるよ」  上田は目指していた大学に落ちてしまった。 「フロントマンを装って見に行かないか?」  萬斎が言った。  「そーゆー行為はよくないな?」  良太はクソ真面目だ。   あー!面白くない。 「キビヤックを食べたいなぁ」  良太が唐突に言った。 「ドラゴンボールの敵キャラか何かか?」  萬斎が言った。 「カナディアンのイヌイットがアザラシの腹の中に海燕を詰め込んで、発酵した鳥の体液を吸い出すんだ」 「珍味かよ?」  良太は童顔だがサディスティックな内面をお持ちだ。 「珍味よりチンコだろ?固くならないのか?おまえは?」  上田は良太を哀れんだ。 『夫を思うとさらに感度が増していくの』  テレビではAV女優がやらしく腰をくねらせていた。  隣の部屋では沙耶香が旦那のムスコをしごいていた。 「アナタの子供がほしい」
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