2003

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2003

 紗佳はセックスに不満だった。  紗佳は27、剛は23。  紗佳より若くて体力もすごかった。しかし、紗佳にとっては勢いだけしか感じなかった。  凄惨な事件が遭って夫は出張した。  3月12日PM10:21 牛丸市北区の路上で女性A(22歳)が、何者かに包丁で刺される。  このときAは犯人に「ミナミ町は、どこですか?」という意味不明な質問をされて注意を引きつけられたときに刺されたという。  Aは自力で自宅まで逃げ帰ったが、腹部の刺し傷が15センチも達していたことから多臓器不全で死亡した。    Aの正体が石原智子って主婦であることが明らかになった。 「智子さんの為にも頑張ろう」  太宰警部は怒りで顔を真っ赤にさせた。  剛は牛丸署の地下で射撃練習をひたすらした。 3月17日PM09:36 牛丸市郊外にある団地裏で女性B(当時22歳)が襲われ、バッグを奪われた。  犯人は逃走。  Bは傷は負ったが、命には別状無かった。    紗佳は教材セールスマンの三浦って青年に恋をしてしまった。  紗佳は触る前からショーツにシミを作っていた。  差し出された肉棒を一心不乱にむしゃぶりついた。びしょ濡れになった恥部は簡単に龍臣の若いペニスを受け入れた。    3月28日、H-IIAロケット5号機が打ち上げられた。    剛は佳苗って超能力者の存在を太宰から知らされた。 「スゴくいい女だった、メチャクチャ頭がいい」 「知能指数どれくらいですか?」 「200はあるんじゃないか?」 「金田一も真っ青ですね?」  金田一一はIQ180だ。 「何を生業にしてるんです?私立探偵?」 「教材のセールスマン」 「儲かるんですか?」 「さぁ、俺は最近腰が痛いからなぁ」 「働き過ぎじゃないですか?」 「イヤ、佳苗は感じないと能力を発揮しない」 「は?」  詳しいことを耳打ちされた。 「主任、奥さんいるのにダメじゃないですか?」 「女房には黙っておけよ?」 「ナカはどんな感じでした?」 「イソギンチャクみたかった」 「そりゃ楽しみだ」 「蕎麦も捜査も腰が命だ、本腰を入れていけ?」  佳苗はキリン公園ってところにいた。  ほっそりしていて、どことなく内山理名に似ていた。    1番星が出てコウモリが飛び始めると子どもたちが家へと帰っていく。  剛はベンチに腰掛け、経緯を話した。 「これ以上犠牲者を出してはいけません」  佳苗の手がベルトに伸びた。    
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