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「で、カイト。説明よろしく」
「は、はい」
今なんで俺がこの金髪王子に笑顔を向けられているかというと…
俺が証人に手っ取り早いと思って利用するためにここに読んだからです…なんて正面切って言えないのでしらを切る。
「な、何が?」
「明らか様に動揺してるくせに…まさかとは思うが友に嘘をついているわけではないよな?」
微笑みが怖すぎる。俺にはこんな顔できないと思う。それに俺もいつまでも嘘をつき続ける気はない。
「悪かった、真実を話そう。その代わりにこの辺にいる人全員下げてくれる?」
メイドが俺の発言にピクリと動く。しかし、それを制するようにウィリアムが手を挙げる。
「よせ、構わない。皆部屋から出るように。」
バタンっと部屋のドアの閉まる音がしたのと同時に俺はこの部屋に防音結界を貼る。そして、録音器具無効魔法を部屋全体にかける。
「これはお前のユニーク魔法か?」
どうやら俺の魔力を感知したらしくウィリアムが不思議そうに尋ねた。
「ああ、そうだ」
真面目に答える俺にやれやれと溜息をつくとウィリアムは口を開いた。
「ユニーク魔法を国の元トップヒーローは持ってないはずなんだがな…」
「それは、ステータス隠蔽してたから」
やはりかと言う空気が流れた。ウィリアムを見ると彼は頭を抱えていた。
王子なりに思うところはあるんだろう。庶民に真面目に悩まさせられる気分はどうだと心の中で罵倒しつつ、俺は親友が意見をまとめるまで紅茶を飲みながら待つことにした。
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