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「だから、もしお前が捕まってもいいように保険をかけとくんだよ。俺の部隊ってことでさ」
ウィリアムの発言に俺は何も言い返せない。
“コイツ何言ってんの”という想いが強すぎて何も言い返す気になれない。
「……まさかお前、保険が欲しかったんじゃないのか?」
「うん、親友にこれは話しておかなきゃと思っただけだ」
俺の返した言葉に驚きを隠せないウィリアムは早とちりしてすまないと軽く謝罪する。
「ところで、お前のユニーク魔法について教えてくれないか?」
ウィリアムは気まずい雰囲気を壊すため話題を変えた。
ウィリアムの焦った顔を見てカイトが優越感に浸っていたことは神のみが知る。
「ああ、俺のユニーク魔法は創造者っていうものだ。簡単に説明するとなんでも作れるっていう凄く便利な魔法だ」
「本当になんでも作れるのか?」
「ああ、魔法を発動して何か欲しいものとか作りたい魔法やスキルを思い浮かべればなんでもできる」
ヒョイっと俺はティーセットを創り出してみせる。
次の瞬間、俺はウィリアムと目があったことを後悔した。
ウィリアムの水色の瞳はキラキラしながら俺を見つめている。俺は失念していた。
そう、ウィリアムは魔法馬鹿であることに。
そして、俺はそこから小一時間ほどウィリアムに魔法を見せ続けるはめになった。
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