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「もう泣くな・・・・
声がひどいぞ・・・・・。」
ほんとにガサガサになってしまっていた。
「昨日俺 酔っぱらわないと居られなかった。
ナナはきっと俺のそばから居なくなるって思った。」
「ヒック……ヒック…」
「前二人を偶然見かけた時自分でも驚くくらい
混乱したんだ。前も言ったけどさ
綺麗に大人っぽくなったナナが知らない女みたいで
すごく嫌だった。あの時は
何で自分がこんなに嫌な気持ちになるのか
わかってたけど そんなはずはないって思ってた。」
「そんな事言える立場じゃない。
今まで乃亜の事でさんざん利用していたのに・・・・
そして自分には乃亜がいるのに
ナナに心乱される自分が 情けなかった。
俺も・・・・俺も契約違反してた。
だから必要以上に ナナに冷たく接してた。」
嘘・・・・・
「俺こそ 他の女を好きになるなんて
許される立場じゃないのに どんどんナナに
惹かれて行った。
それを隠すために必死だった。
温泉で花火を見て感動するナナが愛おしくて・・・
退院してきたときも話したけど あの時は言えなかった。」
ヤマトの指が私の涙をぬぐう。
「俺は何回 ナナを泣かせたんだろうな。」
「ううう・・・・・。」
私はまた嗚咽に襲われる。
「はっきり気づいたのは ナナがここで
倒れていた時・・・・・どうしていいのか
パニックになった。
ナナに何かあったらそう考えるだけで頭がおかしくなった。
俺はナナを愛してるって確信した。」
「だけど俺にそんな資格ないよね。
契約結婚だって俺が言い出したのに
乃亜がいるのにナナを好きになる?
どこまで俺はクソなのかって毎日葛藤していた。」
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