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会社はすぐそこなので、すぐに降りられるように準備する私。
会社を通り過ぎるタクシー。
ヘイタクシー!!
「係長大変です。
会社を通り過ぎました。」
「ああ。」
「ああじゃ無いですよ。
ちょっと、運転手さん。」
「いいんだ。」
「何が!!」
「さっき言っただろう。
会社には戻れないって。」
「係長が上手く言ってくれればいいじゃないですか。」
「酒臭い俺がか?」
「……。」
そうでした。
係長も一緒に沢山飲んだんですよね……。
「じゃあ私はどこへ戻ればいいんですか。」
半べそをかく私。
「戻る場所はない。」
なんてストレートな。
オブラートないですか?オブラート。
「これからうちに行くんだよ。」
???
「うちって係長のお宅ですか??」
「ああ。」
「そこは私にとって安全な場所でしょうか?」
「よく面と向かって言えるな。」
「それが私の取り柄です。」
「取り柄ではないぞ。間違いなく。」
「ああ、私は今日、悪魔のような係長に襲われてしまうのね……。」
「おい!!襲ってほしいのか??」
「いえ。」
静まり返る車内。
無情にも到着するタクシー。
タクシーから降りる。
と、同時に走る私。
「はあ??」
怒る係長。
悪魔のような係長にあっという間に捕まる私。
「何がしたいんだ!?」
「食後の運動?」
冷たい視線。
「すみません。」
観念して係長のアパートに入る。
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