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係長は私が飲みに行く為に皆で歩いているところを見て私に電話したらしい。
でも私が出ないから由紀子ちゃんに電話して飲みに行く事を知ったらしくて、いつになってもメールの返信がなくて電話にも出ない私を心配して実家から戻って来てくれた。
「飲みに行くなんて聞いてない。」
「係長って意外と束縛するタイプなんですね。」
「そうじゃないけど……。
男しかいないように見えたし、村田も一緒にいたし……。」
金子さんもいましたけどね。
「係長はいつも忙しくて会社で二人きりになることなんてないじゃないですか。
一緒に帰るわけじゃ無いのにみんなの前で係長に飲みに行くって言うのも変だし。」
「メールしてくれればいい。」
係長は怒った様な言い方で突っかかってくる。
「携帯は家に置いてきて……。」
係長は私をキツく抱きしめた。
「心配させるなよ。」
絞り出すような声。
そんなに心配されているとは思っても見なくて、驚くと同時に『私の他に女がいるのに?』と邪推してしまう。
「誰かに取られると思いました?」
「マジで思った。」
私の部屋の玄関で、係長はビジネスバッグをその場に置いたまま私を抱き上げてベッドへ連れて行った。
私は驚いて足をバタバタさせる。
「係長??」
無言でベッドに荒々しく私を降ろすと、
「上野が足りない。
誰にも取られたくない。
上野は俺だけの上野でいて欲しい。」
そう言っていつもより激しく荒いキスをする。
一つ一つの動作は激しいのに、こんなに愛されると思うと嬉しく思ってしまう。
結局嫉妬を爆発させた係長は朝まで私を激しく抱いたので、私は係長の愛を体中のだるさという形で享受する事になった。
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