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家に帰るとすぐに冷蔵庫に入れたスマホを保存袋に入れてまた冷蔵庫に戻した。
夕飯を食べてお風呂に入って、そろそろいいかな?と思ってスマホを冷蔵庫から出す。
スマホはメールや電話があった事を知らせるランプがついてるけど、保存袋の中の空気が室温になるまで待たなきゃいけない。
スマホを壊したくはないから。
保存袋に入ったスマホを眺めながらビールを飲みはじめた。
飲み始めて一時間位経った頃にスマホが着信を報せるメロディーを奏ではじめた。
人やグループでメロディーを変えているので、すぐに係長からだとわかる。
もう大丈夫だろうか?と思いながらも、慌てて保存袋からスマホを出して電話に出る。
「もしもし?」
『上野?
今どこにいる?』
ちょっと落ち着かないような係長の声が聞こえる。
「家ですけど。」
『良かった。
朝会った奴と飲みに行ったかと思って心配した。』
「行きませんよ。」
『あれ、誰?』
「昨日の飲み会にいた人みたいです。
私は全然覚えてないんで名前も知らないんですけど、昨日は営業の人が来てたみたいだから営業の人かも……。」
『なる程。
高橋が知り合いみたいだったからな。』
「高橋って……?」
『ああ、俺に話しかけてきた奴いただろう。
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