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「金子さーん。
ケーキいただきましたよー。」
皆に聞こえるように言うと、
「ありがとー。
でもケーキくらいでサヤちゃんが釣れると思ったら大間違いよ。
ねえ、村田くん。」
金子さん、村田さんは一番この話題を振っちゃいけない人です。
「上野を口説くのは俺を倒してからにしろ!!」
村田さんが冗談半分に言った。
けど、目が笑ってないんですけど……。
「マジで倒していいの?」
逆に何故かテンションが上がってる営業の人。
「止めて!!
私の為に争わないで!!
って言った方が良いですか?」
そう自分で言いながら笑ってしまった。
「それ私も言いたい!!」
金子さんが乗ってくる。
「じゃあそのセリフは金子さんがどうぞ。」
なんて言って皆で笑って、何とか話を笑いに持っていくことができた。
「じゃあケーキ冷蔵庫に入れときますんで、それぞれ自分で出して食べてくださいね。
ちなみに早いもの順で選んでくださいね。」
営業さんにもう一度お礼を言って給湯室に行ってケーキの箱を開けた。
美味しそうなケーキがキラキラ光って見える。
いかにも高そうだな……。
借りを作らない為のお礼が逆に借りを作ってしまった。
ぎっしり詰まったケーキの重みがそのまま気持ちの重みになる。
営業さんがまだ近くにいると面倒なので、ケーキを冷蔵庫にしまってからコーヒーを入れて少し休憩した。
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